『FX』とは、『Foreign Exchange』(外国為替取引)の略称です。
元々は『外国為替取引』の意味ですが、最近では『外国為替証拠金取引』(以下『FX取引』)とも同じ意味を指し示すものとして一般的な言葉になっています。
しかし、この外国為替取引と外国為替証拠金取引とでは意味が全く違ってきます。
それは、外国為替取引を証拠金で行うかどうかという点です。
まず、『外国為替取引』とは、一方の通貨と異なる通貨を交換する事を意味しています。
外国為替取引の身近な例としましては、例えば、海外旅行等でアメリカに行く場合、国内の銀行や両替所などで円をドルに両替しますがこの円とドルを両替する行為を『外国為替取引』といいます。
一方、『FX取引』とは、外国為替市場で「米ドル/円」、「ユーロ/米ドル」、「ポンド/米ドル」などの二国間の外国為替取引を証拠金を担保に取引を行い、為替差益やスワップポイントによる収益を狙う『デリバティブ取引』(金融派生商品)です。
『証拠金』とは、取引を行う際に証券会社に預け入れる担保金の様なものです。
前者の外国為替取引は二国間での外国通貨を購入して他の通貨に交換する実需的な取引に該当します。
一方、後者の外国為替市場において証拠金にレバレッジをかけて差益を得る事を狙うFX取引は投機的な取引に該当します。
以上が外国為替取引とFX取引の大きな違いですが、いずれも通貨を交換、あるいは、取引する際には『為替レート』と呼ばれる2ヵ国間の通貨の交換比率に応じて行います。
また、いずれもこの為替レートに基づいて買ったり売ったりした時に発生する差額によって損益が発生します。
※OANDA証券 世界の外国為替リアルタイムレート(自動更新)引用
そんな為替レートは通貨の需要と供給によって上がったり下がったりします。
例えば、「米ドル/円」を例に見てみましょう。
基本的に、「円よりもドルを買いたい」という需要が高ければドルの価値は上がり、ドル高円安になり、反対に、「円よりもドルを売りたい」という供給が多ければドルの価値は下がり、ドル安円高になります。
そんなFX取引の最大の収益チャンスは主にこの為替レートを基に「米ドル/円」の価格がドル高円安に進むかorドル安円高に進むかを予測して為替差益を狙う取引です。
基本的に、通貨の売買であるからには為替レートが安い時に買って高い時に売れば利益を得る事が出来ます。
これは株式投資等の金融投資とその基本は同質のものです。
それに準じて、「米ドル/円」の価格が今後上がると予測すれば買い注文を発注します。
予測通り価格が上がったところで利益を確定すれば為替差益を得られます。
しかし、FX取引では株式取引の様に買いから入る取引に限定されていない為、ドル高円安orドル安円高のどちらの値動きでも為替差益を狙う事が出来ます。
つまり、為替レートが高い時に売って安い時に買い戻す事も可能です。
この様にFX取引は将来の通貨の価格が「上がるのかor下がるのか」を予測して取引するだけのシンプルな仕組みです。
しかし、FX取引は証拠金を元手に外国為替にレバレッジを掛ける事が可能な為、決済時に現物と現金の取引が行われる現物取引やニ国間の通貨の両替を目的とした為替取引とは資金効率や利益率が大きく異なります。
このレバレッジの機能によって少ない資金でもその何倍もの大きな取引が出来る様になるからです。
基本的にレバレッジ倍率が高い証券会社ほど少ない資金でより大きな取引をする事が可能となります。
詳しくはこちら『レバレッジ』を確認してみましょう
また、利益率についてですがこちらは例えば、ドルを買い注文する時の取引数量、ロット数で変わってきます。
仮に、1ドルはなく100ドル(0.10lot/1万通貨)を買っていた場合、100ドル×5円(500pips)=50,000円の利益となります。
さらに、10倍の1,000ドル(1lot/10万通貨)を買っていた場合、1,000ドル×5円(500pips)=500,000万円の利益となるという具合です。
それに準じて、同じ為替差益でもロットの配分比率次第では利益率が大きく異なってくるのです。
これが証拠金取引の仕組みであり、レバレッジ取引の特殊性となっています。
しかし、これまで解説してきた通り、FX取引の損益が発生する仕組みはシンプルですが、勘や値頃感で安定的な利益を得られるほど甘くはありません。
安定的な利益を受け取り、綺麗な純資産曲線を描いていく為には外国為替市場の特徴をまず学習する必要があります。
また、チャート分析や経済情報等から相場のトレンドや動向を予測し、適切なタイミングで取引判断を行う必要があります。
より安全なFX取引を行う為にも初心者の方は次のFX基本編に目を通してFX取引についてさらに理解を深める事から始めましょう。