トレード手法
基本的な取引手法を押さえる為には相場の流れを捉える必要があります。
また、それぞれの相場の流れに合わせて適切な取引を行う事がどのような取引手法を用いるにしても重要となります。
相場は一方の方向に値を伸ばす『トレンド相場』と一定の値幅で推移する『レンジ相場』の2種類が存在しています。
一般的にはトレンド相場の方が利益を獲得しやすいですが、このトレンド相場に対してどのようなアプローチを行うかによってその名称が異なり、基本的には『順張り』と『逆張り』の2種類に大別されます。
どちらも一長一短ありますが相場の流れを上手く捉える事が出来れば双方で大きな利益を得る事も可能ですが、基本的な取引手法はトレンドの発生に対してトレンドをフォローする順張りでのアプローチが最も王道です。
順張り
相場のトレンドに合わせる取引手法を『順張り』といいます。
順張りは『トレンドフォロー』とも呼ばれ、トレンドの発生時、および、発生後初期or中期にトレンドが発生している方向にエントリーを行う取引手法です。
価格が上昇している時に買い、逆に下落基調の時には売るという取引手法で上昇or下降トレンドにある際にそのトレンドに乗っていくというような投資スタンスです。
上昇or下降トレンドは一度発生すると一定期間はその方向性に変動し続ける傾向がある為、上昇or下降トレンド相場でトレードを行う方が時間的効率が良く、さらに、順張りはトレンドの波に乗るような形で含み益を伸ばせる為、相場でストレスをあまり受けずに利益を狙う事が可能な最も期待値が高い取引手法です。
注意ポイント
- トレンドの発生を匂わせた後に逆行するダマシや反転後の大きな逆行に飲まれる恐れがある等の警戒すべき点が多々あります。
逆張り
相場のトレンドに逆らう取引手法を『逆張り』といいます。
逆張りはトレンドの終焉時、および、発生後末期にトレンドが発生している方向と逆方向にエントリーを行う取引手法です。
トレンドは発生直後に反転し、往って来いする事も多く、また、トレンド終焉直後に上手く逆張りで対応出来れば大きな反転の値幅を取る事が可能です。
注意ポイント
- FXは相対取引である為、本質的に逆張りは適していません。
- トレンドに逆らってトレードを行う以上、それは本質的に危険であり、逆張りには多くの知識と技術が必要です。
- エントリー後トレンドが継続せず大きな値幅が発生しなかった場合等は為替差損が発生or為替差益が限定されたりしてしまいます。
- 多くのトレーダーは相場が反転する瞬間を捉える事を主なトレード戦略に置いたせいで多くの投資元本を失っています。
トレードスタイル
相場参加者がトレードを行う時間軸は基本的に『超短期』、『短期』、『中期』、『長期』の大きく4つに大別され、トレードを行う時間軸、つまり、エントリーからクローズ(決済)までの時間でトレードスタイルを分類する事が出来ます。
基本的に、トレーダーのトレードスタイルの選定は自らの傾向、好み、欲望、恐怖、リスク、投資元本、生活スタイル..etc といった人間的要因、経済的要因に完全に依存します。
このトレードスタイルによって用いる取引手法も大きく変わってきます。
注意ポイント
- FX取引はレバレッジによって自分の資金以上の金額の取引を行えるという性質上、損益変動が激しくなると同時に損益が投資金額以上に膨れる事が論理的に可能な金融商品の為、自分に適したトレードスタイルを選ぶ際はFX取引と株式取引とでは短期と長期の意味が異なる事に注意しましょう。
スキャルピングトレード
『スキャルピングトレード』とは、注文から決済までの期間が数秒〜数分という超短期間で取引を完了させるトレードスタイルです。
1日に何度も繰り返しトレードを行い数秒から数分の短時間でコツコツと為替差益を積み重ね最終的に大きな為替差益を獲得する事が狙いです。
一度のトレードでは数pips〜数10pips程度の為替差益or為替差損ですが勝率を高める事が出来れば短時間のトータルで大きく勝ち越す事が可能です。
そんなスキャルピングトレードでは為替差益or為替差損の差も大差のない為に通貨ペアや取引時間帯毎の値動きのクセを覚えて勝率を高めていく事が極めて重要です。
注意ポイント
- スキャルピングトレードでの多くのトレード活動が相場ノイズだけを対象にしているという事実を常に忘れず考慮しなければなりません。
- スキャルピングトレードでは常に相場を見ている必要があり、初心者にとってはトレードのタイミングの見極めや意思決定は非常に難易度が高いものになります。
デイトレード
『デイトレード』とは、1日の時間枠で仕掛けて手仕舞いされるトレードであり、一定の明確な行動計画に忠実に従うトレードスタイルです。
株式市場等では別名、『日計り取引』とも呼ばれています。
ポジションの日またぎはしませんが一度のトレードの利益は比較的大きく日またぎリスクも排除して比較的安心してトレードを行う事が可能です。
現在FXトレーダーの中でも1番多いトレードスタイルがデイトレードの様です。
デイトレードの原理原則はトレンドに乗る事であり、デイトレードで正しい判断をする為には大局となる長期トレンドを見極め、キーとなる相場水準を捉える事が必要です。
デイトレードの良いところは通常のポジションの保有時間を極端に短くする事でリスク満載の外国為替市場に証拠金を晒す時間をなるべく短縮出来る事です。
それに準じて、為替差益or為替差損のフィードバックは必然的に早くなる為、これは自分の損失から学習したいと考えているトレーダーにとって最適なトレードスタイルです。
注意ポイント
- デイトレードは常に相場の寄り付きでエントリーをして市場のクローズで決済する事とは限りません。
- デイトレードは大引け、1日の市場のクローズまでにはその日の取引が終わっているトレードである為、次の取引日までポジションを持ち越すのならそれはデイトレードとは定義出来ません。
- デイトレードは利益が生じたとしてもポジションを翌日まで持ちこす事を意味するものではありません。
スイングトレード
『スイングトレード』とは、注文から決済までを数日〜数週間かけて行うトレードスタイルです。
一度ポジションを保有すればデイトレードよりチャートを確認する回数も少なくて済む為、比較的ゆとりを持ったトレードを行う事が可能です。
基本的には順張りで相場の値動きに逆らわずに数日に及ぶ動きに繋がりそうな兆しを選んでトレードを行います。
長期のサイクルはトレーダーが相場のトレンドを知る為の一助となり、また、時間サイクルが長ければ長い程プライスアクション、テクニカル分析、トレンドラインの重要度は増す為、それに準じて、ある一定期間の流れを予想する市場経済を読む力が必要となります。
注意ポイント
- スイングトレードでは長期間ポジションを保有する為、その間の損益変動はメンタルに多大な影響を及ぼします。
ポジショントレード
『ポジショントレード』とは、明確な期間は決まっておりませんが期間は分類できるトレード手法の中で最も長く年単位でのトレードも視野に入れたトレードスタイルです。
ポジショントレードでは、テクニカル分析よりもファンダメンタルズ分析による各国の金融政策の流れや経済状況を読む力が重要になります。
それに準じて、エントリー前に相応の分析が必要になる為、初心者には些かハードルは高くなるものの長期的な視線で戦略を立てる事が可能となり、短期の変動にストレスを感じなくて済むメリットがあります。
当然トレード機会は少なくなるものの数年に一度の相場の転換点を見極める事が出来れば一度のトレードで大きな利益を獲得する事が可能です。
注意ポイント
- ポジショントレードは一度に狙える為替差益が大きくなる反面、損失が発生する場合も大きな為替差損となり、トレードに対してストレスを感じやすい点に注意が必要です。